顔のないテロリスト

  • 文藝春秋 (2005年10月7日発売)
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感想 : 1
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この作品のプロットは、スパイを題材にした小説に相応しく相当に凝っており、読み手を飽きさせない。イギリスの作家は、この点でのエンターテイメント性に優れていると思われる。世の中に紛争がなくなったら。。もし、この仮定が現実になったら困る連中が、秘密組織をつくりそこに世界の名だたる間諜組織のトップが名を連ねたら・・・というちょっとそら恐ろしい仕掛けが本書のテーマである。邦題の顔のないテロリストとは、この組織から依頼を受けて暗殺を手掛けるエージェントであり、彼とCIAのエージェント、マイケル・オズボーンとの戦いを縦糸に原題「行進の季節」に示されるアルスターにいまだに封印されているプロテストとカトリックとの争いを横糸に物語がつづられていく。ちょっと、想像ができない結末が逆に興味深い仕上がりとなっている。佳作

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 軍事スリラー
感想投稿日 : 2013年3月31日
読了日 : 2011年12月31日
本棚登録日 : 2013年3月31日

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