名将への挑戦状 ~世界のサッカー監督論~

  • 東邦出版 (2011年8月6日発売)
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著者はヘスス・スアレスというジャーナリスト。それを小宮さんが翻訳している。ヘスス・スアレスとはいかなる人物か?

スアレス,ヘスス
1959年、ウルグアイ、モンテビデオ生まれ。スペインのガリシア州リーグ1部でプレー。引退後は監督養成学校でフェルナンド・バスケスに学んだ。グアルディオラ、リージョ、マウロ・シルバ、フランらと親交が厚く、地元ラコルーニャではラジオでサッカー番組のパーソナリティーを務める。ワールドサッカーダイジェストでは、10年以上に渡りスペインのコラムを担当

様々な監督と親交が厚く、ペップなどは意見を乞うという。
すばらしい人物のようだ。

今回、彼が取り上げたのは以下の名将たち。

ジョゼップ・グアルディオラ
ファビオ・カペッロ
ウナイ・エメリ
ルイ・ファン・ハール
ホセ・アントニオ・カマーチョ
マルセロ・ビエルサ
ミカエル・ラウドルップ
ビセンテ・デルボスケ
ドゥンガ
ラファエル・ベニテス
ビクトール・フェルナンデス
アーセン・ベンゲル
ジョゼ・モウリーニョ

この13人は紛れもなく名将に数え上げられる監督たちである。

個々の内容には触れないが、一言で感想を言えば、まさに痛快!
歯に衣着せぬ物言いでばっさりと切ってくれる。

ウルグアイ出身ということもあるからなのか、アンチフットボールと呼ばれる守備戦術だったりフィジカル戦術には真っ向から遺憾を表明する。
特筆すべきはカペッロに対する表現である。彼はカペッロをして締めにこの1文を持ってきている。
「史上最悪の悪役的勝利者。彼こそ、モダンフットボールに居場所を与えるべきでない男なのである。」

どうだろうか、まさしく痛快だ。

またジョゼに対する考察も一考に値するものだ。

フットボールが好きな方、特に、相当好きな人にはたまらない至極の1冊と言えよう。
フットボールにマネジメントはつきものだし、名将は必要だが、あくまで選手が行うもの。これが彼の信念である。

ぜひ本書を手に取ってほしいものだ。
星5つ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: フットボール
感想投稿日 : 2011年10月20日
読了日 : 2011年10月20日
本棚登録日 : 2011年10月20日

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