第二次大戦の開戦とともに近しく生活していたユダヤ人たちが一人、また一人とゲットーと呼ばれる川向こうへ去って行くのをなす術無く見送る少女ヘレナ。あくまで少女の感性を反照する柔らかな筆致で周囲の大人たちの次第に硬化していく振る舞いが炙り出されながら戦時のポーランドの暮らしが静かに鋭く描出されている。底冷えする童話のような読後感に改めてひしと歴史を思う。
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- 感想投稿日 : 2011年10月24日
- 読了日 : 2011年10月23日
- 本棚登録日 : 2011年10月23日
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