着眼と考え方 現代文解釈の基礎〔新訂版〕 (ちくま学芸文庫)

  • 筑摩書房 (2021年10月11日発売)
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感想 : 25

初版は1963年、日本の国語政策にも関与したトップレベルの日本語研究者の二人が著者。2021年に復刊され、巻末の解説は有名な読書家?の読書猿さん。

現役の中高生の頃は、国語を学んで何になる、特に主人公の考えを読み取ってどうする、などと考えていた。論理的な文章を読む力が仕事や生活に不可欠だということは、大学を卒業してから気づかされた。そして、十数年前から読書が楽しくなった頃からは、登場人物の考えなどを読み取れれば、もっと小説を楽しめるだろうと感じたり。今回、この本で解説を受けながら演習することで、少しは何かの足しになったかもしれない。中には、やっぱり難しい例題もあったが。

さらに、随筆の面白さ、興味深さを感じることもできた。著者が、どうやって論理を組み立てて展開し、自分の考えを的確に読者に伝えるか、登場する文章は、どれもレベルが高いもののよう。(難解という意味のレベルが高いではない)

文章の内容から興味深かったこと。
日本人には、現実をある枠の中に切り取って、そこに単純化された現実を見て安心する性癖がある。旅行先で写真を撮りたがること、歌に詠むことが一例。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年1月28日
読了日 : 2024年1月23日
本棚登録日 : 2024年1月28日

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