このミステリーがすごい! 2004年版: 発表!2003年のミステリー&エンターテインメントベスト10
- 宝島社 (2003年12月1日発売)
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感想 : 6件
『このミス』も10年以上経て、かなり権威がついてきているせいか、当初のマイナーリーグ故の思いっきりの良さ、怖い物知らずの勢いが成りを潜め、かなりオーソドックス路線へと変貌を遂げつつあることが暗示された。というのもアンケートの回答に「マニアックなものは避けて下さい」というような主旨の但し書きがあったとの意見が散見されたからだ。
今回の『このミス』は国内編では歌野晶午氏が第1位という予想外の結果だったことがまず嬉しかった。ぽっと出の新人ではなく新本格第1期生のキャリア16年の作家が初登場でしかも1位だったというのが純粋に嬉しかった。
また他にも昨年に引き続いて連城三紀彦氏がランクインと以前見られた作家の使い捨て傾向がやや改善されてきているのも嬉しい。
海外編もマキャモン、ウェストレイク、ヒル、フォレットとかつての『このミス』を席巻していた作家がランクインしていたのが嬉しい。つまりこれは以前のように奇を衒った回答ではなく純粋に面白い作品を回答してくれた事の1つの証左であると思う。だから真保裕一氏や島田荘司氏がランクインしなかったのも彼らの作品よりももっと面白かった作品があったのだと納得できる。
今後、ミステリ界はどんどん新人が出て、またジャンルの括りが難しくなるぐらい混沌としていくだろう。その大きな流れにきちんと自分を見失わず、面白いものは本当に面白いんだと正当に評価する冊子になって欲しい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年12月23日
- 読了日 : 2020年12月23日
- 本棚登録日 : 2020年12月23日
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