日本の国境はすべて海洋上にある。当たり前のようだが、世界的にみると決して多数派ではないだろう。しかし、豊かな海に囲まれているが故に、国境線を気することもほとんどない。武力を放棄した現代日本においては、国境警備されるべき前線で何が行われているかはほとんど知らない。北方領土・竹島・尖閣諸島のように、昨今のニュースになる事例もあるが、それらもあくまでも外交の材料としてしか見えず、実体感に乏しいのが本音だ。
著者は日本財団(日本船舶振興会)の職員で、海上保安庁などの活動の紹介を通じて、「日本の国境」という視点から、わが国の海洋政策を提言し、海洋資源の重要性とそほ保安について述べている。島国日本の国民感覚として、海浜~近海は非常に身近な存在だが、実は日本の海はかなり広い。南鳥島(日本の東端)や沖ノ鳥島(同南端)などを含めた、排他的経済水域の面積は世界第6位ということなので、こうした海洋資源で未来を切り拓かない手はないだろう。
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カテゴリ:
新書 社会系
- 感想投稿日 : 2012年3月12日
- 読了日 : 2012年3月12日
- 本棚登録日 : 2012年3月4日
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