『性格論』邦訳第三分冊。流行、習慣、説教壇、リベルタンがテーマとなるが、本分冊では全体としてブリュイエールの宗教観が提示されている。さらにいえば、見かけを取り繕うばかりの宗教者に対して、真の信仰――それは華美に流れない単純な、使徒たちを理想とするものだとされる――とは何であるかを示し、そして神に対して否定的ないし無関心な「強き精神」すなわちリベルタンに対して信仰の重要性を説くことに力点が置かれている。最後部で展開される神の存在証明――約言すれば「我考える、故に神あり」――は、ブリュイエールもまた「幾何学の精神」と「繊細の精神」の持ち主であったことを示している。
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- 感想投稿日 : 2016年1月12日
- 読了日 : 2016年1月12日
- 本棚登録日 : 2016年1月12日
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