現代思想の冒険者たち 26

著者 :
  • 講談社 (1996年6月1日発売)
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ミシェル・フーコーの生涯をたどりながら、その思考の全体像を描き出そうとする概説書。フーコーが提唱した様々な概念を「道具箱」として積極的に利用することを結論としているが、全体としては、主要著作の梗概を示しつつ、フーコーの様々な遍歴、また大学の行政官のような仕事など、研究活動以外の部分、フーコーの「世俗的」な側面にもスポットライトを当てている。そういう意味で、非常に面白い伝記である。それと同時に、著者がフーコーに対して抱く思い入れも率直に吐露されており、これも、近代社会のインフラとなっている知のシステムに何かしらの生きづらさを感じた人々の共感の物語のように思われ、非常に面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2022年3月2日
読了日 : 2022年3月2日
本棚登録日 : 2022年3月2日

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