霊界との交信、千里眼によるストックホルム大火の体験など、オカルト的な逸話に事欠かない異端の思想家の解説書。彼をオカルティズムの始祖としてのみ理解するのではなく、その科学者・技術者としての側面から、カトリック・プロテスタント双方に対する激しい攻撃に基づき「新しい教会」を構想する神学者としての側面まで、彼の思想体系のエッセンスを抽出している。もとが新書ということもあってか、現代の様々な学問や文学に彼が与えた影響を強調したり、直接の影響はなくとも実質的な先駆者として扱ったり、儒教や仏教と彼の教えの共通性を仄めかしたりするなど、スウェーデンボルグの現代日本的意義を強調しすぎているきらいはあるものの、『天界の秘儀』に代表される大部の著作を遺したこの思想家の紹介・解説書として非常に面白い。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学・思想
- 感想投稿日 : 2021年7月28日
- 読了日 : 2021年7月28日
- 本棚登録日 : 2021年7月28日
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