なぜマネジメントが壁に突き当たるのか―成長するマネジャー12の心得

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  • 東洋経済新報社 (2002年4月1日発売)
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企業は単純な論理な分析では理解することのできない高度な
複雑系であり、全体を大局観をもって複雑性のまま理解する
必要がある。
そのための直感力や洞察力は、論理思考に徹し論理を極め尽く
した先に、初めて得られるもの。「無我」「無心」の境地で
全体観察し、大局観を感じることが大切。
複雑系の中で生じる様々な「矛盾」に対峙することがマネージ
メントの本質である。壮大な矛盾を心に抱き続ける魂の力、
器の大きさがマネージャーには必要。これらは、仕事や人間と
正対し、「一途」「一徹」に、粘り強く”格闘””共感”すること
によってしか、身につけることは出来ない。
マネージャーが部下の成長を支えるためになすべきことは、
「成長の方法を伝え」「成長の目標を持たせ」「成長の場を
もたす」こと。そのためには、マネージャー自身が成長し続ける
こと。

いわゆるノウハウ本のような、単純明快な「答え」(=方法論)
は示されていません。むしろ、読み手に、いろいろな「問い」
を投げかける本です。考えさせられます。。。

複雑な組織マネージメントに単純明快な解などないですね。
真摯に、誠実に考えコト・ヒトに接しつづけること、その先に
全体観・暗黙知を捉えるアンテナが備わるということですね。
一流スポーツ選手が、”ゾーン”と呼ばれる研ぎすまされた究極の
感覚(時間が止まって感じられる等)に没入したとき、ピーク
パフォーマンスを発揮するのと同じだなぁ、と感じました。

Don't think , feel !
でも、feelするためには、徹底的に thinkし続けることが必要。

一見矛盾することのようですが、全体観としてきちんとバランス
することが、複雑系の本質なんですね。
うーん、「マネージメント道」は、奥が深い。。。

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感想投稿日 : 2012年12月22日
本棚登録日 : 2012年1月6日

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