おすすめ度:80点
2013年2月10日付日本経済新聞書評にて神戸大学教授小川進氏が「最高におもしろいので是非読んでもらいたい。この書評はそれで十分なくらいだ。」と絶賛されている。
本著は経営学の理論を企業ではなく個人の生き方に当てはめていく。
本著の出発点はHBSの同窓生であっても、MBAの学生時代、聡明で努力を惜しまず、家族思いだった人間でも不幸な私生活、家庭の崩壊、仕事上の葛藤、犯罪行為といった問題に苦しむことになる。どこに落とし穴があったのか。それが著者の問題意識だ。
「同級生たちは昇進や昇給、ボーナスなどの見返りがいますぐ得られるものを優先し、立派な子どもを育てるといった、長い間手をかける必要があるもの、何十年も経たないと見返りが得られないものをおろそかにした。(中略)かつて一番大事だと言っていたものに、ますます資源をふり向けなくなっていくのだ。(中略)ほとんどの人は、わざとそうしようとしているのではない。こうした事態を引き起こす決定は、その場しのぎの、大した影響のない、小さな決定のように思われる。だが、このような資源配分を続けるうちに、また往々にして気がつかないうちに、わたしたちは意図したものとはかけ離れた戦略を実行に移していいるのだ。」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
生きる
- 感想投稿日 : 2013年11月10日
- 読了日 : 2013年1月27日
- 本棚登録日 : 2013年11月10日
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