絶対城先輩の妖怪学講座 九 (メディアワークス文庫)

  • KADOKAWA (2016年11月25日発売)
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本棚登録 : 169
感想 : 10

「狐付き」
狐が人間に憑依すること、およびそれによって生じる変異のことを言う。
古来より広く語られる著名な怪異だが、故に伝えられる様相のバリエーションは極めて広い。
相手を術にはめるには徐々に時間をかけてというのは間違っていないのだなと思ったと同時に、何故ここまで手の込んだ事をしてまで秘録を奪ったのか気になるな。

「小女郎狐」
京都などに伝わる化け狐の一つ。
美女に化けて人を騙す狐の名前の一つであり、「おとん女郎」や「しょろしょろ狐」の同類。
彼女の話を聞いている間、詐欺師の親玉が狐なのだと完全に騙されていた為違う名前が出た瞬間とても驚いたな。

「狸囃子」
関東を中心に全国に伝わる。
狸がお腹を叩く音がどこからともなく聞こえてくる怪異現象。
マジックのネタは思ったよりも単純であるが、人間である限り見破ろうとしても無意識に別の物に目がいってしまいそうだな。

「送り狼」
全国の山間部に広く伝わる。
転んだら襲われるや、煙草が嫌いだから煙草を吸えばいいなど色々対処法がつたわっている。
山奥で日も暮れた後に狼と出会うなんて、どれだけ恐怖な出来事か計り知れないがそれを対処してしまうこの二人もすごいな。

「髪剃り狐」
人を騙して髪を剃り丸坊主にしてしまう化け狐、もしくはその狐が登場する昔話。
道行く人を化かして髪を剃ってしまう悪戯好きの狐。
相手を騙すなら味方からともいうが、流石にあそこまでの演技を事前に知らず目の辺りにしたら狼狽える所では済まないだろうな。

「宝珠の玉」
狐の毛が固まった白い玉で「狐の毛玉」とも言う。
これは誰の視点なのか分からないが、確実に殺られたのは彼等であるようにしか思えないな…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 峰守ひろかず
感想投稿日 : 2019年3月14日
読了日 : 2019年3月15日
本棚登録日 : 2019年3月14日

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