貸しボート十三号 (角川文庫 緑 304-30)

著者 :
  • KADOKAWA (1976年1月1日発売)
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本棚登録 : 108
感想 : 9
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金田一耕助シリーズ短篇集3本。許婚者が惨殺される話2本と、連続殺人犯もの1本。

許婚者(いいなずけ)のものは、時代背景の違いなどがあり、特に1本目の引揚者同士のいざこざはなかなかわかりにくいかもしれない。

ただ、エンターテインメント慣れしてきたあたりの作なのか、金田一耕助のキャラクターも十分固まってきていて(初期のものから相当変わっているけれども)、めちゃくちゃな部分が減ってきた分、全作読みやすくオススメである。

最後の同性愛を組み込んできた話については、かなりのワルノリが炸裂していて、清朝や乱歩で読んだことの有るような死体発見からはじまり、やたらと熱した串が刺さったり、爆弾が爆発したりと言うようなツッコミ待ちの比喩のオンパレードでやや辟易する。

オチも強引で、導入が面白かっただけになんだかなというところだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2017年2月3日
読了日 : 2017年2月2日
本棚登録日 : 2017年2月2日

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