亜空間要塞 (角川文庫 緑)

著者 :
  • KADOKAWA (1977年4月1日発売)
3.15
  • (1)
  • (2)
  • (9)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 38
感想 : 5
3

SFマニアの仲良し4人組が、どこからかふらっと帰ってきた親戚の足跡を追っていたところ、亜空間に飛ばされた。亜空間内の世界はは、人間のいろいろな能力をテストするために仕切られていた。

話の大筋は、ディックなども書きそうな人間の弱さを強調した世界で、制限が多いだけにそれなりに楽しめる。ただ、のっけから引っかかるのが4人がSFマニアであるというところだろう。

この本に関しては、読み方はいくつか有る。世界の終わりを予想しながら読んだり、素直に冒険もの、ジュブナイル的なものとして読んだりすることが出来、それぞれそれなりに面白く読めるだろう。

もう一つの読み方として、古典幻想小説や古典SFのパロディーとして読むと言うかたちも王道だ。

とはいえ、ワタクシもさほど網羅できておらず、全てのパロディーでクスリとくるような読み方ができる人は、本当に限られていると思う。

結局、一番楽しめるのは最後のタイプの人であり、実際にSFマニアを序盤から押している話の作りなのだから仕方がない。

また、それぞれの世界のギャップが大きすぎて、世界観などを語りきれておらず、亜空間全体がぼんやりしてしまった感は否めない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2017年2月12日
読了日 : 2017年2月10日
本棚登録日 : 2017年2月10日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする