ファミリー (角川ホラー文庫 8-1)

著者 :
  • KADOKAWA (1993年4月1日発売)
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本棚登録 : 94
感想 : 8
3

常に笑顔の絶えない家族のもとに嫁いだ女性の感じる違和感が恐怖に変わっていく薄気味悪い話。でもホラーじゃなくてミステリかな。

短編集だろうと高をくくって開いてみたら、長編じゃないですか。そんなに長くないけど。しかも真ん中辺りまで、ニコニコしながら脅迫されるような、真綿で首を絞められるような、なんとも言えない恐怖がなかなか秀逸である。

真ん中を過ぎると、ミステリ慣れのせいか、前振りも状況も黒幕もつながってくるのだが、それまでのジリジリ進まない恐怖感とは違った、早い展開になるので飽きさせない。

ただ、3人行方不明はなあ、ちょっとどころかやり過ぎだと思うけれども。

最後は陳腐に怪談オチ。よく考えたら、「野性の証明」もこんな感じのオチだったような。

(追記)
角川ホラーで森村誠一の「ラストファミリー」と「ファミリー」の両方があるのね。ややこしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2016年3月31日
読了日 : 2016年3月30日
本棚登録日 : 2016年3月30日

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