夏の滴 (角川ホラー文庫 96-2)

著者 :
  • KADOKAWA (2003年9月1日発売)
3.40
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本棚登録 : 123
感想 : 20
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文章、プロット、ストーリー、背景から知識まで、一切がひどいという、ワーストオブワーストの1冊。

田舎の小学校から、子どもたちが消えていく。その謎を解くきっかけは、嫌われ者の生徒が持ち込んだ「植物占い」という本だった…。

最初の20ページ位ですでに「は?何書いてんの?」というような、まったくもって要領を得ないという、なんとも摩訶不思議な文章である。これが、部分部分は体裁を保っているようなのでたちが悪い。頭に入ってこないので、もう一度読み直したが、やはり文章が悪い。

小学生を描き始めたところから、更にそれはひどくなり、小学生の要領を得ない会話を、要領を得ない説明文でつなごうとするものだから、苦痛を通り越して解脱しそうである。

それでも我慢して読んでいくものの、キーとなる植物の知識もメチャクチャだし、その辺のなんてことのないものが力を持っているだの、挙句に植物そっちのけで「子供の死体を酒につければよい」などと言い始めたあたりは、投げ捨てようと思うレベル。タマゴタケは毒ねえよ馬鹿。

本当に恐ろしいのはここから。角川ホラーも罪なことをする。ホラー中のホラーである。

この状態で、なんとまだ半分終わっていないのだ。残り半分。ほぼヤケクソで読みましたが、宗田理を真似て書いた小学生の作文レベルの文章にしか思えませんでした。

・会話文が支離滅裂。
・会話をつなぐ文章が更に支離滅裂だし、会話を活かせていない。
・過去の資料を書いているのかと思ったら突然始まる会話。
頭が痛い。

ホラーにするならメカニズムをもっと細く設定すべきだし、堂々と自分の子供を殺しに来る実の親なんか、ひとっつも怖くないんだよ。

古本でも残すべきでない1冊。ゴミ箱行き。
今年のワースト作。これ以上ひどい本には出会わないだろうから。

もっと怖いのが、このブクログでの評価は割と高いことだよね。身内が書いてのこれ?悪いレビューは消されたりして。ホラー文庫らしくていいねえ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 童話・ジュブナイル
感想投稿日 : 2017年10月12日
読了日 : 2017年10月12日
本棚登録日 : 2017年10月12日

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