太陽が6つあり、暗闇というものを知らない星。そこで4時間後に日食が起こることがわかった。その星では誰も知らない夜の世界。発狂し混乱が予想されたなか、日食による影が星を覆う。
アシモフの初期作短編集。21歳位で書いてたんだからすごいとしか言いようがない。
タイトル作は、未知との遭遇でもあり、終盤で暗くなって今まで見えなかったものが…というダブルミーニングがよくできていると感じる。
個人的に好きだったのは『緑の斑点』だ。気がついたら緑の斑点を持つ生物に覆われてしまう。地球の生物は妊娠してしまう。かなり斬新な異星人(の細胞)のコンセプトだ。
後半、ホーキンズ人、原爆を作って懺悔をする物理学者、クロル星人に宇宙船を乗っ取られた地球人など、ワカランではないが、オチの弱い作品も続く。全体に訳が古いのもあり、特に会話部分がわかったようなわからぬようなという部分が続くので、少々読みにくい部分もある。
全体的に、夜のない世界を想像するなど、どこに意外性を持つかという意識的な基盤を持ったり、当時の倫理観を想像しないと読めない部分もあり、若い人には少し難解かも。
それでも、星新一しかり、ムクムクとSFアイデアの湧いてくるような短編集である。SFを書く人は一度読まれるべき。
で、「長編版」って何?
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2022年6月29日
- 読了日 : 2022年6月29日
- 本棚登録日 : 2022年6月29日
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