ムーミン谷の彗星 (ムーミン童話全集 1)

  • 講談社 (1990年6月22日発売)
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ムーミントロールが小さいスニフと彗星のことを調べるために遠い天文台へ旅にでるの。
途中で、スナフキンや、スノークのおじょうさんたちと出会い、怖い思いをしながらも、無事に、ムーミン谷まで帰ってきた。ちゃんと宇宙と彗星のことを理解してね。
ムーミンの成長や、スナフキンの名言など大好きな場面は、多々あるのだけれど、今回わたしはムーミンママに乾杯!そう、ムーミンの世界って訪れるたびに心に響く言葉や、キャラクターが変わってしまうのだ。だから、何度も読み返したくなる貴重な物語なのであ~る。

いつ地球がこわれるかわからないときに、ムーミンママは、ムーミントロールを旅にだしちゃうの。
それが、ちょっといってらっしゃいよと、近所にお使いを頼む感じなんだわ。
当然、ムーミントロールは、こんなときにイヤだよと断っちゃう。
だけど、ママは天文台で宇宙や彗星のことがちゃんとわかったら、みんなが助かるし、ママも安心するわと言ってね。
だいすきなママが不安じゃなくなるなら、ぼくはがんばる!男の子ならきっと勇気をだしちゃうよね。

ママは、おなかのくすりやウールのズボンなどなど持ちきれないほどの旅の準備をしてくれる。
かわいい子には旅をさせよとの諺もあるよね。
本当は、ママもこんなときに大好きなこどもと離れたくないのだろうけれど、地球が滅びることしか考えられなくなっているムーミンたちを、どんと背中を押すように旅へだしちゃう。

おいしいグラタンをつくって待っているよ、日曜日には、おうちに帰ってくるのよってね。

その言葉のとおり、ママは彗星がどんどん近づこうが、地球が滅亡すると世界中がパニックになっていようが、いつものようにおうちしごとを続けるの。くちぶえをふきながらね。
ムーミンたちを出迎えるために、しょうがビスケットをやき、デコレーションケーキをしあげながら。
ちゃんとおうちで、ムーミンたちを待っている。
ムーミンママが、子どもたちの帰るおうちなんだよね。

ママの笑顔は太陽だ。

わたしもママというおんなじ立場として、子どもがどんなに困難なことや、災難に見舞われようとも1日のおわりに、おうちにかえろうと言ってくれたら。
それが一番どんなにほっとすることでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外児童文学・絵本:ファンタジー
感想投稿日 : 2015年2月25日
読了日 : 2015年2月25日
本棚登録日 : 2015年2月25日

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