創元推理文庫、というレーベルからの先入観かもしれませんが、今まで読んできた坂木さんの「お仕事小説」のなかでは比較的ミステリ色が濃いような気がします。登場人物それぞれの人生が主人公の日々の奮闘としっかり絡まり合う展開はお見事で、「切れない糸」というタイトルも舞台がクリーニング屋さんなのも実に絶妙です。
商店街の下町っぽさ全開も魅力の一つ。こんな町、いまや全国にどれだけ残っているか。それを思うといささか哀しいですが、そんなノスタルジックに浸るのもまた作者の狙い通りなのかもしれません。
かくいう自分が使っていたクリーニング屋も、先月閉店してしまいました。夏服、どこに出そう…。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説・ミステリ
- 感想投稿日 : 2021年9月13日
- 読了日 : 2021年9月13日
- 本棚登録日 : 2021年9月13日
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