「カソウスキの行方」「Everyday I Write A Book」「花嫁のハムラビ法典」の3編からなる150頁にも満たない短編集です
本の紹介文に曰く「恋愛“しない”小説」。確かに。何せ、カソウスキ=仮想好きですからね。
主人公たちのテンションが奇妙に低いのです。どちらかと言えば私が苦手にしているちょっとヌルッとした文体で綴られる主人公たちは、何か事が有ると思わぬリアクションをする。落ちる、変な方向に曲がる、裏返る、でも決して跳ねない。それに同意したり納得する訳じゃないのですが、どこか可笑しい。これが津村さんの作品の魅力なのかな。
2008年に発表された作品で、この時、津村さんは30歳。ほぼ主人公と同年代で、自らを投影したものかもしれません。
読書状況:読み終わった
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一般
- 感想投稿日 : 2019年7月7日
- 読了日 : 2019年7月6日
- 本棚登録日 : 2019年7月7日
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