甘露梅: お針子おとせ吉原春秋 (光文社文庫 う 15-1 光文社時代小説文庫)

著者 :
  • 光文社 (2004年6月1日発売)
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本棚登録 : 362
感想 : 28
4

なかなかですね。
凧助という、もと幇間で今も客の求めに応じて席に上る60前の引き手茶屋の主人が魅力的です。全てを冗談に紛らわせながら、しかるべきところで心を尽くす姿が良いですね。
さほど大きな事件が起こるわけではありません。その分、郭の世界の日常を細かく描いています。全体に読みやすく、物語に入っていけます。
ただ読みながら、何か物足りなさは感じます。もう一歩中に入り込めないか。さらには入り込んだ上で、サラリと描けないか。そんな事を思うのは、どうしても藤沢作品と比較してしまうせいかも知れません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・時代
感想投稿日 : 2017年10月30日
読了日 : 2006年9月29日
本棚登録日 : 2017年10月30日

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