なかなかですね。
凧助という、もと幇間で今も客の求めに応じて席に上る60前の引き手茶屋の主人が魅力的です。全てを冗談に紛らわせながら、しかるべきところで心を尽くす姿が良いですね。
さほど大きな事件が起こるわけではありません。その分、郭の世界の日常を細かく描いています。全体に読みやすく、物語に入っていけます。
ただ読みながら、何か物足りなさは感じます。もう一歩中に入り込めないか。さらには入り込んだ上で、サラリと描けないか。そんな事を思うのは、どうしても藤沢作品と比較してしまうせいかも知れません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史・時代
- 感想投稿日 : 2017年10月30日
- 読了日 : 2006年9月29日
- 本棚登録日 : 2017年10月30日
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