中大兄皇子による蘇我入鹿の暗殺から大海人皇子の壬申の乱を扱い、物語のスケールは大きい。そういった史実に伝奇的要素を加え、さらに男女主人公のラヴロマンスもたっぷりで、歴史物語としての要素は揃っています。
でも、なんか軽いのです。
巻末には沢山の参考文献が挙げられているのですが、どこか劇画的な軽さが有ります。主要な脇役として登場する中大兄皇子、大海人皇子、蘇我入鹿、中臣鎌足ら人物像の薄さから来るものでしょうか。重厚な歴史小説を期待してしまった私にはやや肩透かしでしたが、良く言えば軽快でそれを好む人も多いと思います。
周防柳さん、初読み。読み終わった後で女性だと知りました。なるほど我が家から見ればお隣の大竹市(安芸)→岩国市出身で周防さんですか。そういえば、同じく女性作家の澤田瞳子さんも、よくこの時代を描かれますね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
歴史・時代
- 感想投稿日 : 2021年3月8日
- 読了日 : 2021年3月7日
- 本棚登録日 : 2021年3月8日
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