大江戸あやかし犯科帳 雷獣びりびり クロスケ、吸血鬼になる (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2011年9月2日発売)
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本棚登録 : 189
感想 : 24
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読みながら「んん?」が重なっていって、そのまま読了。なんとこちら、シリーズものの2巻目だったのですね^^;
このミス結構多いんだよなあ。

しかしそれをふまえて考えてみても、これ、主人公がまるで主人公してませんよ!
短編集の中に一本、二本番外編みたいな感じで視点を変えてみるのは良いと思いますが、こちらは一冊で一本のお話。なのに主人公らしい刀弥なりクロスケなりの描写が殆ど無いの!

一番丁寧に描写されていたのは本作限りの登場であろう落ちぶれた町医者山善。まあ、サブキャラらしき仁科を書き込むのならまだわからんではないけど。

これは主人公仁科だろうと思ってしまいますね。

妖たちはそれぞれにかわいいのだけれど。本作では活躍と言う活躍が見られないし、その妖ならではの見せ場があって欲しかった。ラストのクロスケは取って付けたようだし。

章ごとに視点や時間軸が変わる書き方は嫌いでは無いのですが、その構成がね。もう残り少ない頁だと言うのにここに仁科の過去を持ってくる?!とか。それはもう少し前で良かったように思う。

それよりも章を増やすか何かして、染之助とこよりと言う人物、過程を掘り下げるべきだったかも。移入できないし、吸血鬼に関しても、新登場らしきミクニと言う人物にしても、ぼやけ過ぎでは…

設定だったり発想は面白いと思うのに、やはり構成でしょうか。書ききれていない、消化不良感が。

善鬼なる人物も気になりますし、前作、新作も読んでみたいと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: あやかしもの(日本男性作家)
感想投稿日 : 2012年8月26日
読了日 : 2012年8月26日
本棚登録日 : 2012年8月4日

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