米原万理作、「バクダッドの靴磨き」に涙しました。イラク戦争でアメリカによって家族えお皆殺しにされた少年がついに涙枯れ果て、靴磨きをしながら復讐を誓う、小説です。2006年になくなった米原さんが今ご存命であったらこの、戦争できる国に変容する日本の現状に、なんと言っていたであろうと思う昨今、亡くなってなお、その作品で私たちに、戦争の現実をまるで目の前にその少年が立ち現れるがごとくに描写して見せ、戦争の現実を伝えているのです。特に、ミサイルを放つ方ではなく、ミサイルを受けた方に想像力を向けよ、と痛切に訴えています。米原さんがまるで生きて帰ってきてくれた様。文学の力、有無を言わせない筆の力です。ジャーナリズムに携わる人々にこの志が欲しいのに。
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どうかこの考え方を知ってほしい。
- 感想投稿日 : 2016年4月23日
- 本棚登録日 : 2016年4月23日
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