『人は生きてきたように死ぬ。そして、残された者の心の中に、これまで生きてきたようにして、これからも生きる』
海外で亡くなった人が遺体で貨物として日本に帰ってくる。それがどんなことなのか、この本を読むまで全く知りませんでした。
率直に、あまりにも過酷でショッキングな仕事だと思いました。
誰にでもできる仕事ではない。
エアハースの人たちの覚悟や使命感、仕事への姿勢には凄まじいものを感じました。
今はどれくらいのメンバーがいてどのような勤務体制なのだろうとふと思いました。
土曜日も日曜日も、朝も夜中も関係なく電話がかかってきて、厳しい状態となった遺体とそして悲嘆にくれる家族と向き合うには本書の取材当時のままではあまりにも無理があるのではと思いました。
現場の理惠の姿を見て、部下を叱り飛ばしてばかりの様子に「自分にはとても勤まらない」とNPOの職員が言っていたり、理惠の息子の利幸でさえも、「なぜ、ここまで言われなければならないのだろう」と山科に対しての思いを語る記述がありました。
元々過酷な上に、そこまでずっと怒鳴り散らされて耐えられる人はそういないと思うと、ストレートに言うとブラックな職場のままなのでは、と絶対に必要で、すごい仕事なのにと少し不安になりました。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年10月31日
- 読了日 : 2023年10月31日
- 本棚登録日 : 2023年10月5日
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