富田卓朗先生(理工学部電気電子システムコース)ご推薦
学ぶということはどういうことだろうか。教養を身につけるため、あるいは就職に役立てるため。この問いには実に様々な答えがあるだろうし、どれが正解かというものでもないだろう。ここで紹介する『犀の角たち』は、この問いへの新たなる答えを与え、学ぶことに対する視野を拡げてくれるものである。
本書は、仏教書であるが、実際には3分の2以上を費やして最新の基礎科学に関する説明が述べられている。その内容は物理学、生物学、数学と多岐に渡るが、いずれも最先端の内容を極めてわかりやすく説明してある。そのため、科学の入門書として読むこともできる。また、これら科学の歴史的変遷を『人間化の視点』という観点から捉えており、これを原始仏教の考え方(思想)と関連付けて議論している。
詳細は本書に譲るが、学問も原始仏教も『超越者の存在を認めず、現象世界を法則性によって説明する』という点で見事なまでに一致している。このような思考方法の普遍的な有効性に触れて頂ければ幸いである。
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- 感想投稿日 : 2016年5月24日
- 本棚登録日 : 2016年5月24日
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