るろうに剣心 18 (ジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社 (1997年12月4日発売)
3.50
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本棚登録 : 1050
感想 : 21
4

京都編の次は人誅編である。主人公の過去に関わる物語であり、作者も気合いが入っているものと思われるが、京都編ほど盛り上がらなかった。京都編と比べた問題は敵キャラクターの魅力である。敵キャラクターは主人公に倒される存在であるが、それでも魅力的でなければ物語は映えない。悪には悪の美学、悪の魅力、悪の華がある(「『鋼の錬金術師』第26巻に見るハガレンの魅力」リアルライブ2010年8月20日)。志々雄真実は作者の悪の完成型であり、これを超えるキャラクターの想像は難しいのだろう。
『ONE PIECE』でも偉大なる航路(グランドライン)に入って最初に戦った王下七武海のクロコダイルが敵のボスとして完成されていた。クロコダイルに比べればドンキホーテ・ドフラミンゴはチンピラ・ヤンキーである。実際はドフラミンゴが成功したことを後からクロコダイルが真似しようとして失敗したが、ボスとしての風格はクロコダイルが上である。四皇のビッグ・マムやカイドウもクロコダイルよりはるかに強力であるが、人格的にはどうかという存在である。
閑話休題。人誅編は敵キャラクター達が互いに騙し騙される関係であることが魅力を低くしている。それでよく上海武器マフィアの頭目になえたと思うくらいである。志々雄一派は皆が忠実ではなく、利用する関係であったが、騙しはない。むしろ十本刀は条件を付けて加入していた。四乃森蒼紫には同盟を持ちかけた。このように相手の異なる立場を尊重していた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マンガ
感想投稿日 : 2020年2月24日
読了日 : 2020年2月24日
本棚登録日 : 2020年2月24日

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