大谷アキラ作、夏原武企画・原案、水野光博脚本『正直不動産』(小学館)は不動産業界のだましの実態を明らかにした漫画。主人公は嘘八百で消費者をだまして利益を上げていた不動産営業であるが、祟りによって嘘がつけなくなった。本作品のだましの実態は全て事実という。マンションだまし売り被害者として大いに納得できる(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして買った』)。
悪徳不動産営業の倫理観は恐ろしく低い。告知義務など法的に明示的な規制がなければ説明しないことを当然視する。規制があっても何とか基準外にしようとする。消費者保護という規制目的を考えていない。人間の屑と呼ぶべき最低の事業を挙げるならば依存性薬物の売人になるが、不動産業界は脱法ハウスという脱法ハーブと同レベルの表現が登場している。メンタリティは近いところにあるのではないか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
マンガ
- 感想投稿日 : 2020年9月8日
- 読了日 : 2020年9月8日
- 本棚登録日 : 2020年9月8日
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