国内の不満や圧力が高まってくると、非常に分かりやすい形で隣国をはじめ国外に政治問題を吹っかけてくるのは、よく見る手法のひとつであるが、結局そのような方法を採る背景には、国家が国民感情はじめ向かうべき方向を先導し、あるいは国外に下駄を大いに預けてしまう姿勢に疑問を持たない考え方が現われているのだろう。
本書のいう国家資本主義とは、民間の競争にあって、共産主義の再来ともいえる大きな(大きすぎる)政府による国内産業保護を指す。
先月訪問したコスタリカであった、巨額のコスタリカ国債が中国により購入されたため親台湾の姿勢に変化があったという話に本書でも触れられている。競争相手間においては壁を築き、一方でシンパを築く点にも余念がない。
情報化の波のなかにあって多面的な戦略ともいえる国家資本主義の適者生存は、成立するとすれば市場経済のあり方を根底から変えていくといえる。
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- 感想投稿日 : 2012年12月25日
- 読了日 : 2012年12月25日
- 本棚登録日 : 2012年12月25日
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