拝み屋郷内 怪談始末 (MF文庫ダ・ヴィンチ)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2014年5月22日発売)
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感想 : 16
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東北の某県で実際に「拝み屋」を営む作者が、その仕事柄見聞きした怪異を、怪談に仕立てることで、いわば怪異の供養をするという仕立。
つまり実話怪談だ。
なかには、作者自身が体験した怪異も多数含まれており、リアリティが高い。
背筋がぞくぞくっとするものもあれば、ただただ幻想的で美しいものもある。
しかし、怖ろしい話の白眉は、作者自身が体験している、ある少女にまつわる一連の怪談だろう。
死者とも生者ともつかぬこの少女は、美少女であり、かつ、からくり人形の仕掛けのように、一瞬にしてある怖ろしい表情に変わるというところが、もの凄くおそろしい。
つまるところ、たとえ怪異であっても、それが「死霊だ」あるいは「○○の呪い」「××の幽霊」と結論づけられると、恐ろしさは減じる。
事象だけがあり、それが全く何かわからない、しかも危害を被る可能性大というのが、最も怖いのだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2017年1月27日
読了日 : 2017年1月27日
本棚登録日 : 2017年1月27日

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