カルティエ 最強のブランド創造経営: 巨大ラグジュアリー複合企業「リシュモン」に学ぶ感性価値の高め方

制作 : 長沢伸也 
  • 東洋経済新報社 (2021年3月26日発売)
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読もうと思った理由
ヨーロッパ企業のブランド経営について知りたいと思ったから

気づき
・日本企業が参考にすべきはGAFAではない
・今こそ日本企業は、価格破壊に抗い、それぞれの業界
 における高付加価値化、高価格化を目指していかなけ
 ればならない
・価格競争から抜け出すために
①一人の顧客に生涯を通じていろいろ買ってもらう
②他社に真似されない技術で差別化する
③他社に真似されないよう知的財産権を獲得して阻止す
 る
④デザインなどの感性品質で差別化する
⑤ブランドイメージで差別化する
・ラグジュアリービジネスの特徴
 汎用品にはないブランド価値が付くことにより一般に
 高価格・高収益で高利益率
 世界の高所得層の増加(特にアジア)による売上増加
 期待
 価格競争に巻き込まれず、不況下でも大きく落ち込ま
 ない安定的な収益
 ファッションから車・酒・食品・生活用品まで幅広く
 含まれる
 欧州に多く存在する
・リシュモンは得意分野に注力して稼ぐ「得手に帆を揚げ
 る経営」である。時計・宝飾分野
・個別ブランドごとの財務内容は秘匿
 持ち株会社のメリット
・歴史は無料の広告ツール
・創業何年など言いっ放しではだめで歴史が長い以外を
 強調する
・名士や王侯貴族から依頼されなくても、自ら歴史的出  
 来事や人物と関連性を一方的に作るという方法もある
・社会貢献事業、美術や芸術振興の活用も、歴史が創出
 する価値をセールスに使い、社会貢献に結びつけて潜
 在顧客へのアクセス手段に伸長する方法で、ラグジュ
 アリーブランドでは業界標準といっていいくらいどの
 ブランドでもやっている
・誰も知らない土地を知らしめ、普通の顧客しか来なか 
 ったのを、高級な場所やお洒落な場所に旗艦店を出す
 ことで、高級な顧客やお洒落な顧客にアクセスが可能
 になる

日本のものづくり企業の再興に関する知恵がたくさん書かれており、大変勉強になりました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経営学
感想投稿日 : 2021年9月15日
読了日 : 2021年9月29日
本棚登録日 : 2021年9月15日

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