できる人の「会計思考」入門

著者 :
  • 三笠書房 (2009年11月10日発売)
2.75
  • (0)
  • (3)
  • (5)
  • (2)
  • (2)
本棚登録 : 49
感想 : 7
3

著者は大学卒業後にセンチュリー監査法人を経て、現在、合資会社柴山会計ソリューション・柴山ソリューションズ㈱、柴山政行公認会計士・税理士事務所を経営。経営コンサルティング・税務・監査の各種業務に従事しながら、実務につながる実践的な会計教育をかかげ、資格専門学校等で会計学及び実務簿記等を教えている。

著書に、「儲かる会社に変わるバランスシート革命」「Google経済学」「グーグル会計学」「一目で見抜く!財務諸表読解法」等多数。

会計的な視点や考え方=会計思考を
新聞やテレビ等の記事やニュースを題材に紹介している。

日々の会計情報や経済情報というのは、たった「3つのパターン」で理解できると説明している。
①資産が増え、(そして)負債or持分が増えた
②負債or持分が減り、(そして)資産が減った
③資産、負債、持分に変動はないが、資産の内容に変化がある。

上記の会計思考を身につけると次のような効果が期待できる。
①経済の仕組みがよくわかる
②世の中のお金の裏の動きが見えてくる
③ビジネスに重要な「数字力」「経営感覚」が身につく
④世の中に対して自分の意見を語れるようになる

構成は上記の3つのパターンを基本として以下の4章から成っている。
①頭の中にバランスシートをつくる
②会計的に考えると、世の中はこんなに面白い
③時事問題を極上の経済ドラマに変える
④こんなにすごい!会計思考

冒頭から簡単ではあるものの簿記の知識が必要な説明から入っている。なかなか簿記関係の説明を最初に入れると敷居が高くなりそうにも感じるが、そこは簿記をユニークな手法で教え続けている著者。

様々な工夫によりその簿記知識の説明もサラリと面白く読むことができる。最初のその簿記知識の説明をいれたことも読み進めていくにつれてその説明の重要性も認識。

考え方としては細切れでは自分の中には少しはあるもののその知識を使ってどのようにニュースと向き合っていくのかという、ニュースを単なる事実として捉えただけでは終わらない柴山流の活用術が魅力的。ニュース記事も単独ではなくそれは過去からつながってきており、そして未来にもそれはつながっている。

たしかに、紹介されている考えを身につけることによって、楽しく新聞を読むことができるというのもあながち間違っていない。

お恥ずかしいところ、私は新聞をほとんど読まない。読まなくて困ったこともなかったが本書やいろいろな新聞を読む技術等の本を読む度にそのおもしろさがとても気になる。

今は困っていなくても、新しい世界を知る。新しい視点を得るという点では新聞は非常に大切であるということも本書を通して再度確認できた。時間をとって自分なりの新聞の読み方を考えてみようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 財務・会計
感想投稿日 : 2011年9月24日
読了日 : 2011年9月24日
本棚登録日 : 2011年9月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする