めちゃ面白い冒険小説。よくあるプロットを戦争というフィルターを通すことで奥行きが増している。陰のある孤独なヒーローとうら若き女性の報われぬ恋、孤立無援の状況などハードボイルドの基本を忠実になぞっているので一見難しそうにみえてサクサク読める。また脇役も魅力があり細部まで丁寧なのが好感触。前作との繋がりがみえつつ全く新しい戦争スパイ小説として(しかもアメリカ目線)一級品であることは間違いない。特に斎藤が択捉島へ逃げていく所は良い。追う側と追われる側の描写の迫力でグイグイ入ってくる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
新潮文庫
- 感想投稿日 : 2024年2月21日
- 読了日 : 2024年2月19日
- 本棚登録日 : 2024年2月21日
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