「戦争とデザイン」の著者の新しい本は「宗教とデザイン」。ページを開いて最初の最初に『本書は、宗教における表現とはなにか、をテーマとしている。それは、「過剰な忖度(推理)・過度な解釈」によって生まれた「誤解する美学」といえるのではないだろうか、これを順を追って述べていきたい』と宣言しています。それをキリスト教の「普遍性」、イスラム教の「絶対性」、仏教の「安定性」という三大宗教の切り口で、膨大な知識と豊富な図版で論考を積み上げていきます。それぞれの信仰がビジュアルをどう用いたか?によってそれぞれが世界宗教になりえたのか?という沿革でもあります。心の問題がロジックの問題ではなくエモーションの問題だとしたら、そこには言葉<ビジュアルであったろうし、ノンバーバルな宗教体験を感じさせる事が国境を越える秘訣だったのかもしれません。前著に続いて、著者の提示する様々なネタを拾っていく内に、広大な森に入ってしまったような読書でした。
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- 感想投稿日 : 2023年12月1日
- 読了日 : 2023年11月19日
- 本棚登録日 : 2023年11月19日
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