ある種のタブー(「言ってはいけないこと」「誰も言ってはいけないと言ってはいないけど誰もが口を噤んできたこと」)をはっきりと言語化しちゃっている本です。
それをタブーだという認識自体が「ミソジニー」にどっぷりと漬かっているのだなあ、という気もしますが。
いろんな人に読んでもらいたい。怒り出す人、否定する人、我関せずの(振りをする)人、共感を覚える人、励まされる人、いろんな感想の生まれる本だと思います。
ちなみに私は「打ちのめされる人」でした。
私の感じてきたこと、幼い頃からの、誰とも分け合うことのできなかった痛み、苦しみが、まるで見てきたように書かれていたので、「私は一人ではなかった」という安心感を覚えるのと同時に、苦しみの根源を目の前に曝け出されたことによる恐怖感で、私は混乱しました。
また、私の拙い処世術までも暴かれ、その薄汚れた本質を抉り出され、私が必死で守ってきた「自尊への諦念」という殻まで打ち砕かれ、何もかもをバラバラにされるという、稀有な体験までも、この本はさせてくれました。
私はいかにして、今後、自分自身を再構築し、社会や家庭に対峙していけばいいのか、頭を沸騰させながら考えましたが、まだ答えは出ていません。
上野さんに教えてもらいたいぐらいです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
現代作家
- 感想投稿日 : 2010年11月17日
- 読了日 : 2010年11月17日
- 本棚登録日 : 2010年11月17日
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コメント 1件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/04/23