適応の条件 (講談社現代新書)

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  • 講談社 (1972年11月20日発売)
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日本の会社が、海外に出て行くときに、
日本人が、その国の文化をどのように受け止めるのか
というようなテーマを追求する。
日本人が異なる環境におかれたり、予知しなかった場面に遭遇した時に、
どのように反応するのか?
その反応の基盤である日本的なシステム、価値観の理論的な特色。
日本は、たて社会の人間関係が主であるので、どのように異文化に対応するのか。
グローバリズムということが、言われる前の論評
1972年の発行。

まずは、海外で仕事をすれば、カルチャーショックがある。
言葉、風俗、習慣の違いに出会う。
日本的な思考のパターンに馴染んでいる。
異なるシステムに、弾力性をかき、正面衝突をしやすい。
➡自分たちのやり方が、通用しない。
1 拒絶反応。日本文化(システム)への逃避。しがみつく。
2 日本人コミュニティの形成。➡仲良し。
3 現地人への悪口を言って、気晴らしをする。➡解決しない。
時間を守らない。約束を守らない。
4 カルチャーショックは、感情的な要素が大きい。
➡コンプレックス、自信のなさ、自己防衛。

発展性、積極性、弾力性を持って対応し、システムを堅持して、譲歩する。
表現と実行の間の距離と表現のスタイルが違うことを理解する。

遅れているという認識。民度が低いと思う。
反応が、画一的で、同じスタイルで、よく似ている。

日本的なシステムを押し付ける。
その国のシステムが、非能率で非合理に見えても、そのシステムを認めて、
そのうえで、効率性をイカに高めるかである。
日本は、分業システムが遅れているが、インドなどは分業の仕組みが進んでいる。

日本は、信頼関係を構築するのに、時間をかける。
親分子分の情緒的な人間関係を尊重する社会的な習慣がない。
縦社会は、『同じ釜の飯を食う』という言葉に表される。
相手に、大きな期待があり、リターンを想定している。
研修させても、職場が変わるという問題にどう対応するか?
自家製人材育成システムがある。
契約重視と 立場と社会的地位の重視。

どう、社会に入って行くのか?
日本コミュニティに群れる。『日本志向』
現地社会に沈没する。『沈没組』

国によって、当然、その魅力は違う。
イカレポンチ的なタイプ。➡個性が弱く、思慮に乏しい。
異国文化の吸収力が、極端となる。

日本人は気心のあった人と共にいるというムードを楽しむが、
会話自体のやり取りを楽しむという風習はない。
決して、まずいことや、相手をきづつけることを言わない。
礼儀正しく、非礼なことをいわない。
それが、海外に出るとハメが外れる。

日本人はよく働く、もくもくと働く。そのことが、美徳。
それが、誤解を招く大きな要因。
よく話す人より、よく聞く人の方が、信頼がある。
寛大さ、洞察力、謙虚さ。相手を見下す優越感。

縦社会。
集団の凝集性、孤立性、順応性、そして、排除性。

そして、日本にはどんな問題というか、
壁が、あるのかを解明する。
家の構造で、個性が確立できない。
ウチとソトという考え方。
日本人の異質を認めない連続の思考。
➡異質であるという認識に立って始めて相手を認識する。
現場軽視の思想。中央中心の価値観。
コンポジションではなく、要素のつながりとして考える。
義理人情とは何か?
エモーショナルと持つものと持たざるものの関係。

社会人類学で解き明かしても、解決できないものがあるということだ。
でも、日本人はという切り口で解決しないような気もするが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: しごと術
感想投稿日 : 2013年6月26日
読了日 : 2013年6月26日
本棚登録日 : 2013年6月26日

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