マザーネイチャーズ・トーク (新潮文庫 た 59-1)

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  • 新潮社 (1996年11月1日発売)
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4

自然にはぐくまれた生命そして脳。
様々なことが生まれる。

立花隆は、あとがきでいう。
「自然は、花鳥風月の世界であり、
もののあはれを感じとるべき世界なのである。」

「日本の自然愛好家たちは、
自然を感覚情緒的に楽しむのがもっぱらで、
知的に楽しもうとはしない。」

「個々の自然現象の背後にどんな原理が
働いているのかを知りたい。」
という
「分析的な原理原則の追求という方向に
向かう人はきわめて少ない。」

ここに登場する7人は、きわめておもしろいひとたちであった。

1、自然を考える 河合雅雄 サル学

「自然、ネーチャーというときに、
生命抜きの自然と、生命を含んだ自然がある。」

「現実には、葦の髄から天井を見て
議論しているだけという人が増えている。」

シートン「動物記」様々な動物が人間的に描かれている。

「我々の肉体を構成している元素も
もとは宇宙全体の物質の進化の過程で
生まれてきたもので、
つまりいつかどこかで起こった大爆発によって
宇宙に飛び散っていったものが
再び集まってきてわれわれの肉体になっている。」

「親子の愛情というのは、
サルの中にいくらでも証拠が挙げられるし、
実際に見られます。
しかし異性間の愛情というのはない。」

インカは、ピサロに攻められるが、
そのとき神様が白い馬に乗って助けにくる
と信じていたために彼らはたたかわなかった
そして、ほろびた。

2、ナチュラル・ヒストリーのすすめ 日高敏隆 動物行動学

ファーブル昆虫記を書いたのは、第1巻が、55歳の時であり、
第10巻が83歳という。実にすごい話である。

蝶の道 蝶の感覚器官は、光に敏感なようにできている。
虫なら虫がいたときに、こいつ何のために
こんなことをしているのかという発想。

ナチュラルヒストリー。
蜂は刺すと死んでしまうが刺してしまう。
なぜか。

モノジーン(単一遺伝子)で発想するのと
ポリジーン(複数遺伝子)で発想する。
生物のコンシステンシー(一貫性)

3、宇宙から見た地球 松井孝典 惑星科学

「21%の酸素」もあるのは、異常である。
しかし、生物には最適濃度となっている。
火星の大気中の酸素濃度は、0.13%である。
地球の海の量は、0.03%くらいしかない。
天王星や海王星は、水が50%ととなっている。

宇宙は、結局知性を生むように進化している。
認識主体というのは、いろんなところに生まれている。

4、免疫という名の自己を守るシステム 多田富雄 免疫学

5、心という領域 河合隼雄 精神分析学

神経症と精神病は違ってくる。たがをはずす。
祭りが必要になってくる。
夢ー「夜見るもの」と「心に描くもの」との違い。
イメージ・ジェネレーター
人格のインテグリティ  無感情症候群

6、植物の本質 古谷雅樹 植物学

7、もう一つの「未知」微生物

単眼思考ではだめである。複眼思考をすることである。
モノジーンではなく、ポリジーンでなければならない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2013年3月25日
読了日 : 2013年3月25日
本棚登録日 : 2013年3月25日

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