標的

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  • 文藝春秋 (2017年6月29日発売)
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感想 : 42
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女性総理 越村みやび が誕生する直前の出来事。
現在の黛総理のマウンティングが、
実に巧妙で、スキャンダルを利用しながら
人を操っていく。頭が上がらないようにする。

越村みやびが、政治献金と賄賂の区別が
明確でなく、賄賂に手を染めていく過程が、
もう少し 心理的葛藤があってもいいのだが。
それでも、清廉潔白と言い切るには無理がありそう。

富永という検察のエース。その上司の羽瀬。
羽瀬は癖がある。豪胆で、狙いも特捜だ。
特捜の手口があからさまで、特捜がメディアにリークして
犯罪の既成事実化していく姿は、日本の暗部だね。

神林という新聞記者のエース。その上司の東條。
なぜか、富永とは背とよく似た関係になっている。
記者と検察の深いつながりが見える。

3億円を受け取った俊策が、会社の1億円融資で
あたふたしているのは、どうかな。
それにしても、結末が結末として、闇の中に放り込まれる。
実際の政治は、もっときな臭いだろうけどね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 警察/司法
感想投稿日 : 2019年6月17日
読了日 : 2019年6月17日
本棚登録日 : 2019年6月17日

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