題名に惹きつけられた。大地にある食材を料理して、大地を食卓とする。
「食べ物を持った食器を用い、食卓を囲んで食事する動物は人間だけである」
ミクロネシアでは、敷物もすらなく地べたに盛った皿が置かれ手づかみで食べる。とにかく、食べるために生きるのである。著者は1977年6月生まれ。高校2年生の時に、1ヶ月 インドとネパールを旅行する。インドではガラムマサラと呼ばれる沢山の香辛料を組み合わせて、味を整えながら料理する。右手を使って手づかみでワシワシ食べる。ふーむ。高校生の時に、インドに行くって、その行動力と生命力の逞しさに驚く。とにかく、現地でみんなが食べているものをワシワシ食べるのだ。好き嫌いはほとんどない、なぜなら、お腹が空いているからだ。そして、それを食べなければ、生きていけないからだ。
大学生になって、1997年アラスカを、1ヶ月間、ユーコン川を単独900キロカヌーで下り旅をする。
わずかな食糧と釣った魚で生き抜く。最後に紅鮭のイクラ丼を食べて、満足する。
同じ年ミクロネシアに行き、イヌの丸焼きとパンノミを食べる。
翌年、1998年マッキンリー(アラスカ)、エルブルース(ロシア)、キリマンジャロ(タンザニア)、ビンソンマシフ(南極)、アコンカグア(アルゼンチン)、コジウスコ(オーストラリア)、チョモランマ(チベット)と世界7大陸の最高峰に登頂する。チョモランマでは、8000mを超えて、コンニャクゼリーで凌いだという。
2000年に、地球横断プロジェクトで、9ヶ月かけて、北極から南極点まで踏破する。軽い食材のオートミールを食べ続ける。
「考えてみるとぼくはいつも腹を空かせていた」だから、食べる。
北米やヨーロッパではムギでできたパンやパスタ、中米ではトウモロコシでできたタコスやトルティージャ、キリマンジェロではトウモロコシのウガリ、ポリネシアではタロイモ、ミクロネシアではパンノミ、日本とアジアではコメ、北欧やアンデス山脈ではムギとジャガイモ、そかにもマメを主食とするところがある。その主食によって、身体が作られていく。それをワシワシ食べる。
なんと、積極的で挑戦的な旅行なんだろう。ただひたすら、旅をする。その極限の中での「食」なんだろう。あらためて生きるとは何かを考えさせられた。ふーむ。おもしろい。
- 感想投稿日 : 2022年9月11日
- 読了日 : 2022年9月11日
- 本棚登録日 : 2022年9月11日
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