松本清張 けものみち DVD-BOX

出演 : 米倉涼子  仲村トオル  若村麻由美  上原美佐  田丸麻紀  前川泰之  田中哲司 
  • ジェネオン エンタテインメント
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感想 : 10
4

2006年作品
原作が松本清張だと、かくも緻密な作品になるんだろうか。
確かに現代風にアレンジしているが・・・
しかし、最後まで息をつかせない・・・

米倉涼子演じる「民子」は、どんどん変身していく
脳溢血の半身不随の夫を 小滝(佐藤浩市)の示唆によって、
頻繁に起こる放火事件に乗じて焼き殺す・・・
それはすべての過去をなくす・・・意味であった。

出口のない状況から脱出して・・・
まかせるままに・・・新しい人生を歩もうとする。
ただ子供のころからの夢であった・・・
ジュエリーデザイナーとしての過去は、棄てることができなかった。
そこから、過去が明らかになるが・・・
その身を投じた政財界の黒幕 鬼頭洪太(平幹二朗)
が、どんな役割を果たしているのか・・・・
すこしづつ明らかになる。
上海を舞台に 70年代に活躍・・・・不思議な設定であるが。
(児玉誉士夫・・・がモデルといわれる。

民子は・・・
鬼頭の力にだんだんと恐ろしくなってくる
しかし、「権力を握れば、臆病になるんだ。」と納得する。

16歳から奉公している「米子(若村麻由美)」と「民子」の確執
米子は・・・民子に、「あんたはおもちゃよ」という。
米子は、鬼頭邸の中でしかものが見えないが・・
鬼頭に尽くすことで、自分の証としているが・・
民子は、自分で外の世界に飛び立とうとする・・
ふたりの女性の生き様とぶつかり合いは、実に緊張感がある・・・

小滝(佐藤浩市)のめざすモノは、何なのか?
だんだんと明らかになってくるが・・・

鬼頭は・・・畳の上で、眠りに落ちたように死んでしまう。
久恒(仲村トオル)は、自分の命を省みずに、・・・・
結局は、入り口にたどりついて・・・そのまま。

ラストシーンでは・・・
「死ぬも地獄、生きるも地獄、どちらも地獄に変わりなし」という
民子は、廃墟を歩いていく・・・

因果応報・・・が松本清張のテーマ・・・
民子は、炎で夫を焼き殺すが・・・
自分も最後には炎に包まれる。

この作品は、久しぶりに興奮した。

「原作の民子はまるで
木の葉のように流されていただけですが、
ドラマでの民子はその流れの中で泳げる人にしたかったんです。
流れに巻き込まれるのは仕方がない。
力がない女だったから。
でもその中で、自分で泳法を見つけて、
沈まずに泳いでいくヒロインにしたいと思いました。」
(プロデューサー 内山聖子)

「けものみちにはけものみちの歩き方がある。
 ただし、一度そこに足を踏み入れたものは、
 二度と抜け出すことはできない……」

ふーむ。ふかい・・・なぁ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー/ハードボイルド
感想投稿日 : 2013年11月8日
読了日 : 2013年11月8日
本棚登録日 : 2013年11月8日

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