【HSPチェックリスト付き】鈍感な世界に生きる 敏感な人たち (心理療法士イルセ・サンのセラピー・シリーズ)

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016年10月22日発売)
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ウクライナ侵攻、コロナ禍の中で、生きていくことはこんなにもいろんなことがあるのだなと思う。ある意味では、鈍感になっていくていくしかないのかとさえ思ったりする。著者はデンマークにおいて、「とても敏感な人」Highly Sensitive Person(略して、H S P)をカウンセリングしてきた。ユングとキルケゴールを学び、心理療法士であり、デンマーク国教会の教区司祭をしている。
 意識高い系、意識低い系という言葉は知っていたが、とても敏感な人、H S P
は初見である。H S Pの自己診断テストが巻頭にあり、テストしてみた。60点以上の人が、H S Pだというが、私の結果は59点だった。私はH S Pでなかった。
「とても敏感な人」H S Pの特徴は、自己評価が低いという。そうだ、私は自己評価が高いからH S Pではないのだ。はは。
 H S Pは、5人に1人だという。ユングはいう。「敏感すぎることは、しばしば人格を豊かにしてくれる、困難で不慣れな事態に陥った時には、突然の作用により、その長所がしばしば大きな欠点になります。敏感すぎる人の人格には病的要素がみられるととらえるのは、大きな誤りです」
 H S Pは、①一度に多くの情報を吸収できる。②音や匂いなどの微細な違いも察知できる。③ゆっくり、深く多角的に考えられる。④とても、慎重で、危機管理能力が高い。⑤共感力が高く、気配り上手。⑥誠実で、責任感がある。⑦想像力が豊かで、内的生活が充実している。という。ふーむ。私は、④が違う。
 そして、抱えやすい問題として、①自分自身に高度な要求をしてしまう。頑張らないと好かれないと思い込んでいる。②罪悪感と羞恥心にさいなまされている。自分の責任が及ばないことまで、罪悪感を抱く、本来背負うべき以上の責任感を持つ。③恐怖心を感じ、憂鬱になりやすい。④怒りをうまく放出できない。共感力が高く、繊細なために、ダメージを受けやすい。ふーむ。これだったら、大変だなぁ。そのために、「自分の限界点をはっきりつかみ、自分にできることは限られているという事実を受け入れる。理解者を周りに広げていく。一方的に話さず、対話を心掛ける」なるほど、きちんと自分という境界をつくることなんだ。
 どう自分を肯定的に捉えるのか。過度な刺激を受けないために、自分の内側に集中し、自分を大切にして守る。そして、自分自身と和解することだ。自分らしくあることに喜びを見出す。自分の長所をきちんと見つめる。
 自然を楽しみ、何もせず考えを巡らし、体に良いことをして、美味しいものを食べ、親しい人やペットと過ごし、芸術鑑賞をして、花を愛で、日記や詩を書く。ヘッドフォンを外す。のんびりと風呂やサウナに行く。ネガティブな言葉を使用しない。質の高い時間を過ごす。敏感に感じる力を豊かさに集中することだ。そして、よく眠る。ふーむ。穏やかな生き方で、自分の限界と境界を知ることだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: デザイン・思考
感想投稿日 : 2022年6月14日
読了日 : 2022年6月14日
本棚登録日 : 2022年6月14日

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