木曜の男 (創元推理文庫 101-6)

  • 東京創元社 (1960年1月10日発売)
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本棚登録 : 332
感想 : 35
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久しぶりに、読み終わった後すぐ2周目をしたが、それでも分からん
そして続けて3周目

日曜=神というのは分かるが、秩序と無秩序、無政府主義の意味するところを無理やり解釈してみる

キリスト教的には神=秩序なはずなので、グレゴリー=秩序を嫌う=哲学者=無政府主義者=無神教、となる(「我々は神が廃止したい」「原罪から解放されると考えるには(哲学者は)知的すぎる」との記述もあるし)

サイムたちは試されてる殉教者とすると、聖書で言うところの12人の弟子か
裏切った(ように見えた)大佐に対して、「ヘロデの前にユダを」ともサイムが言ってるし
日曜の発言である「私は君たちを戦場に送った」らへんの下りはヨブくらいにも聞こえる

サイムの最後の叫びである「一度地獄に降りる必要がある」というのもヨブっぽい
そうなると、とどのつまりはこの本は旧約聖書のヨブ記と見做しても良さそうだ
そうやって読むと、それなりに理解は出来る

加えて、日曜の最後の一言からするに、変に知的になって色々考えるようになった人間(特に、今回で言う哲学者、そしてサイムに対しても)に対する神からの警告、と捉えれば良いのかな
そう言えばヨブ記38章にもそんな記載があったな

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2021年10月18日
読了日 : 2021年10月18日
本棚登録日 : 2021年10月14日

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