面白かった。奇妙で。
だらだら読むばかりだった読書が、久しぶりに一気読みをしたなあ。
あみ子は、人との会話で普通の人が無意識に感じ取れる文脈を理解することができず、学校にも馴染めない少女。
継母の死産をきっかけに、産まれてこなかった「弟」のために木の棒に弟のお墓と、好きな男の子ののり君に書いてもらってから、母は心を病みあみ子を見ることをやめ、兄は不良になった。
あみ子は中学生になって同級生からはキモイと言われ、授業にもろくに参加せず、謎の物音に支配され生活もままならず、ある日保健室で出会った大好きなのり君に好きだと伝えて、殴られた日。
兄の不良になった不器用さと、こちらあみ子と投げかけに応答してくれた優しさ。
あみ子の話に付き合ってくれたクラスメイトの男子の素朴さ。
他短編のピクニックも面白かったー。
ローラースケートでウエイトレスをするお店の従業員の女の子たちと年上の七瀬さんの妄想癖劇場。
あみ子みたいな子は、どこにでもいるわけで。
一瞬村田さやかさんかと思ったけど、今村さんの本だった。
妙な違和感を書けるなんて、すごいなあ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
2023
- 感想投稿日 : 2024年1月1日
- 読了日 : 2023年12月31日
- 本棚登録日 : 2024年1月1日
みんなの感想をみる