2冊同時読み、成功!面白い!
たまたま2冊のエッセイが目についた。どちらも、日常を綴ったものだ。衣食住を中心に書かれている。本書『財布のつぶやき』と松浦弥太郎著『いつもの毎日。衣食住と仕事』である。
この2冊を並行して読んだら面白いのなんの。
感情迸る、群ようこさん。
クールで洗練された、松浦弥太郎さん。
実に対照的だ。
テーマ素材がずばりかち合ったものもあったから、なおさら二人の対比が鮮明になった。
かち合った素材は「財布」「椅子」だ。
財布には頓着がなく、よくよく見れば悲惨な状態になっていて、でも廃棄できない人。
かたや2年ごとに処分して新しい財布に買い替える人。
椅子。Yチェアも、イタリア製の椅子も、北欧のシンプルな椅子も合わず、シートハイ38センチの、部屋を居酒屋化してしまう椅子で我慢している人。
かたや、北欧家具のデザインと機能を評価し、10万円の椅子もものすごい贅沢ではないという人。(イラストがYチェアなので、それをご愛用か?)
具体例を挙げればきりがないほど、リンクしている2冊。
どちらの考え方が正しいというものでもない。どちらも正しい。
理想と現実。
2冊の違いの根本はそこにあると思う。
思い当たる節の多い、群さんの話。
あ~、こんな暮らし方ができたら素敵だな、と思える松浦さんの話。
そう思いながら、何度も読み比べていたら、面白くてずいぶん長い間楽しんでいた。たまには、2冊同時読みした方が良い。なるべく似たようなテーマが並んだ2冊を探して、またやってみよう。
最後に私はどちらが気に入ったか?
群さん。どちらかというと、だけれども。
松浦さんの意見は実に整理されわかりやすく、しかも洗練されているけれど、だけど、何かが……。少なくとも私の生活とはズレがある。
ちなみに
松浦弥太郎さんは、『暮らしの手帳』編集長、書店店主、文筆家。
- 感想投稿日 : 2011年11月18日
- 読了日 : 2011年11月18日
- 本棚登録日 : 2011年10月25日
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