財布のつぶやき (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年2月25日発売)
3.21
  • (11)
  • (38)
  • (87)
  • (22)
  • (2)
本棚登録 : 603
感想 : 49
3

2冊同時読み、成功!面白い!

たまたま2冊のエッセイが目についた。どちらも、日常を綴ったものだ。衣食住を中心に書かれている。本書『財布のつぶやき』と松浦弥太郎著『いつもの毎日。衣食住と仕事』である。

この2冊を並行して読んだら面白いのなんの。

感情迸る、群ようこさん。
クールで洗練された、松浦弥太郎さん。
実に対照的だ。

テーマ素材がずばりかち合ったものもあったから、なおさら二人の対比が鮮明になった。
かち合った素材は「財布」「椅子」だ。

財布には頓着がなく、よくよく見れば悲惨な状態になっていて、でも廃棄できない人。
かたや2年ごとに処分して新しい財布に買い替える人。

椅子。Yチェアも、イタリア製の椅子も、北欧のシンプルな椅子も合わず、シートハイ38センチの、部屋を居酒屋化してしまう椅子で我慢している人。
かたや、北欧家具のデザインと機能を評価し、10万円の椅子もものすごい贅沢ではないという人。(イラストがYチェアなので、それをご愛用か?)

具体例を挙げればきりがないほど、リンクしている2冊。
どちらの考え方が正しいというものでもない。どちらも正しい。

理想と現実。

2冊の違いの根本はそこにあると思う。

思い当たる節の多い、群さんの話。
あ~、こんな暮らし方ができたら素敵だな、と思える松浦さんの話。

そう思いながら、何度も読み比べていたら、面白くてずいぶん長い間楽しんでいた。たまには、2冊同時読みした方が良い。なるべく似たようなテーマが並んだ2冊を探して、またやってみよう。

最後に私はどちらが気に入ったか?
群さん。どちらかというと、だけれども。
松浦さんの意見は実に整理されわかりやすく、しかも洗練されているけれど、だけど、何かが……。少なくとも私の生活とはズレがある。


ちなみに
松浦弥太郎さんは、『暮らしの手帳』編集長、書店店主、文筆家。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: monoモノ物=雑貨・手土産から家まで、衣食住関連
感想投稿日 : 2011年11月18日
読了日 : 2011年11月18日
本棚登録日 : 2011年10月25日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする