二度目の破滅 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-27 サニー・ランドル・シリーズ)

  • 早川書房 (2001年9月1日発売)
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 自立した生き方を模索する女性探偵サニー・ランドル。シリーズ第2弾。女性探偵サニーのもとに、フェミニスト運動を支援する企業の代表メアリー・ルー・ゴダードから護衛の依頼があった。サニーが護衛の仕事を引き受けて間もなく、メアリー・ルーの会社で働く女性が殺された。その後、メアリー・ルーをつけまわしていた男の銃殺死体が発見された。この死んだ男の遺書によって二つの事件はいっぺんに解決と思われたが……。サニーは疑問を拭いきれず、調査を続ける。メインの事件の調査のほかに、サニーは姉と親友の女性からも悩みを打ち明けられる。殺人事件の調査も、姉と親友からの相談もともに人間関係のもつれがもたらしたもの。心の持ち方、問題への対処能力が問われる。主人公のサニーが常に念頭においていることである。客観視して、冷静に考えることの重要性がよくわかる。気の強いサニーでも遠慮や気兼ねする、人との付き合いや距離の置き方。特に男女間の。離婚した元夫との関係も。肩肘張らず、自然で心の平静を保てる、人間関係。その上での自立。サニーはそんな理想形の生き方を確立しようとしているのか。シリーズのテーマかもしれない。自立した生き方とは? と問いかける作品。なお、このサニー・ランドルのシリーズは、スペンサー・シリーズのファンである女優のヘレン・ハントが、映画化を前提に、女性探偵ものをとパーカーに打診したのがきっかけで書かれたそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロバート・B・パーカー
感想投稿日 : 2010年3月17日
読了日 : 2010年3月22日
本棚登録日 : 2010年3月17日

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