虚栄 (ハヤカワ・ミステリ文庫 ハ 1-41 サニー・ランドル・シリーズ)

  • 早川書房 (2007年4月1日発売)
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本棚登録 : 47
感想 : 7
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 今はまっているシリーズ。第5弾。本シリーズは事件そのものより、主人公の女性探偵サニー・ランドルの心の問題とか葛藤とか、ひいては生き方に焦点を当てて書かれている。心の安住はどこにあるのか、彼女は常に意識し探している。ただ、主人公サニーは、男視線というか、ロバート・B・パーカー視線で描かれている観がかなり強い。日本女性とは違う異国の女性を感じることと思う。正直かなり違和感もある。良し悪しは人それぞれだろうが、私にとってはこの違和感がシリーズを面白いものにしているということは間違いない。人間の内面の問題さえもわかり易く明確にしようとするところに、アメリカ的であり合理的な思考を感じさせる。明確さを避け、ぼやかしたり曖昧にしたりする傾向のある日本人にとっては、まったく逆のところである。つまり、私の場合は逆だから興味を引かれているのかもしれない。本書には他シリーズの、スーザン・シルヴァマンやジェッシイ・ストーンが登場する。ロバート・B・パーカーの創り上げたパラレル・ワールドが脳裏に拡がり、好奇心を刺激してやまない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ロバート・B・パーカー
感想投稿日 : 2010年5月23日
読了日 : 2010年5月23日
本棚登録日 : 2010年5月23日

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