今はまっているシリーズ。第5弾。本シリーズは事件そのものより、主人公の女性探偵サニー・ランドルの心の問題とか葛藤とか、ひいては生き方に焦点を当てて書かれている。心の安住はどこにあるのか、彼女は常に意識し探している。ただ、主人公サニーは、男視線というか、ロバート・B・パーカー視線で描かれている観がかなり強い。日本女性とは違う異国の女性を感じることと思う。正直かなり違和感もある。良し悪しは人それぞれだろうが、私にとってはこの違和感がシリーズを面白いものにしているということは間違いない。人間の内面の問題さえもわかり易く明確にしようとするところに、アメリカ的であり合理的な思考を感じさせる。明確さを避け、ぼやかしたり曖昧にしたりする傾向のある日本人にとっては、まったく逆のところである。つまり、私の場合は逆だから興味を引かれているのかもしれない。本書には他シリーズの、スーザン・シルヴァマンやジェッシイ・ストーンが登場する。ロバート・B・パーカーの創り上げたパラレル・ワールドが脳裏に拡がり、好奇心を刺激してやまない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ロバート・B・パーカー
- 感想投稿日 : 2010年5月23日
- 読了日 : 2010年5月23日
- 本棚登録日 : 2010年5月23日
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