【本の内容】
新人作家は悩んでいた。
厳しすぎる現実を前に立ちすくみ、ダメ人間ロードを一直線に突っ走る自分はこのままでよいのだろうか?…いや、よくない!!
虚無感とルサンチマンに支配された己を変えるには、そうだ!
“超人”になるしかないのだ!!
「くじけてはダメ、ゼッタイ!」
やさしく励ます脳内彼女レイと手を取り進め、超人への道!!
『NHKにようこそ!』の滝本竜彦が現実と虚構のはざまに放つ前人未踏の超絶ストーリー。
[ 目次 ]
[ POP ]
ニーチェの理論を用いながらひきこもりからの脱出を図る書き手(滝本竜彦)。
文章はほぼ全て「脳内彼女・レイ」との会話形式で進められる。
レイに優しく叱咤されながら社会復帰を目指すが、あまりに打たれ弱い書き手は少しのことですぐに挫折してしまう。
なぜ引きこもるのか、なぜこんなに打たれ弱いのかと書き手を批判するのは簡単だ。
だが、読みながら私は自分の中に住んでいる「滝本竜彦」を強烈に意識せずにはおれなかった。
自分のくだらなさにすぐ気がついてしまうせいで、目標を立てて努力したり、自分に酔ったりといった「物語」の中に自分を置くことができず、何の救いにもならない脳内彼女に甘えながらその日をやり過ごすしかない。
どんな夢も、恋愛も、目標も心の支えとなってくれない――その状態に「神は死んだ」という言葉は何と似合うことか。
何を信じるべきなのかわからない人間にとって、痛いほど共感できる一冊だと思う。
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
- 感想投稿日 : 2014年8月28日
- 読了日 : 2014年8月28日
- 本棚登録日 : 2014年8月28日
みんなの感想をみる