デボン紀の生物 (生物ミステリー (生物ミステリープロ))

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  • 技術評論社 (2014年7月19日発売)
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感想 : 8
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豊富な化石資料もさることながら、新しい研究ではコンピュータを使ったモデル化や、3Dスキャンによる復元など、昔では考えられなかった研究方法が紹介されていて面白い。
脊椎動物として魚類が台頭する時代として有名だが、モロッコ産の多種多様な三葉虫にも注目。現生陸上生物の直接の祖先と推測される板皮類の繁栄も見もの。表紙は最強の甲冑魚ダンクレオステウスが飾り、この時代にして8〜10mの巨体、噛む力は地球史上最大の4000-5000Nという魅力的な古代生物。生きる化石は健在で、カブトガニ、シーラカンス、原始的なサメも化石が紹介されている。アンモナイト類はもともと殻が直角で、だんだん巻き巻きになっていったとは知らなかった。海だけ?のF/F境界絶滅事変については今なお原因究明が継続中。
そして何と言っても植物・節足動物に遅れて脊椎動物の上陸作戦がドラマチック。ユーステノプテロン→イクチオステガは昔の図鑑などでも多用されているが、その間の生物としてパンデリクチス・ティクターリク・アカントステガなど、新しい化石の発見が紹介されている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年12月28日
読了日 : 2019年12月28日
本棚登録日 : 2019年12月21日

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