古第三紀・新第三紀・第四紀の生物 上巻 (生物ミステリー(生物ミステリー プロ))

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  • 技術評論社 (2016年7月23日発売)
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ついに新生代に突入。 それ以前の時代と比べて化石の保存状態もよく、情報量が多いにも関わらず大きな謎も残っている。系統が不明なアルシノイテリウムなどの重脚類。暁新世でニッチを急速に拡大させた肉歯類などの第1適応放散グループののち、始新世で拡大した食肉類などの第2グループが取って変った。気候の寒冷化・乾燥化で草原が拡大したなどの環境が影響したのか。第1グループには霊長類やイヌネコも含まれる模様。大量絶滅を乗り越えた謎のワニっぽいコリストデラ類についても今後の研究が期待される。他の紀に比べても短い期間にも関わらず絶滅動物も含めて哺乳類は多様性をもっている点を目の当たりにすると、それ以前の古生物への想像もさらに膨らむ。
デイアトリマはガストルニスと同一視され、且つ肉食でなかったとの説が最近の有力となっている模様。
アメリカのグリーンリバー、ホワイトリバー、バルトの琥珀、ドイツのグルーベ・メッセルなど、今回も圧巻の美しい化石写真を紹介。 海棲哺乳類の故郷はインド・パキスタン地方で、しかもわずか1000万年で完全に海洋進出に適応したという。 クジラ類の台頭により、ペンギンが追いやられたと推測されているが、鳥類から進化したためか大型化は難しかったのか。
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感想投稿日 : 2020年10月31日
読了日 : 2020年10月31日
本棚登録日 : 2020年10月31日

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