「勇者エミリア、スッキリしたけりゃ俺についてこい。世界征服の過程でお前に新しい世界を見せてやる」
現代日本ではたらく魔王と勇者の物語第6弾。
3巻でちーちゃんが「今まで真奥さんや遊佐さんに酷いことしてる人、皆天使でしたから」と言っていたように、これまで予期せぬ来訪者は大体天使だった。
魔王が主人公でバトルシーンを書きたい以上はしょうがない部分もあるけれど、若干ワンパターンかなと思っていたところ、ようやくやってきました魔界よりの使者。
魔王に魔界に戻り今度こそ世界征服を果たしてほしいと進言するファーファレルロ。
そのことを危惧し、これまで以上に真奥に気を配る恵美と鈴乃。
変わっていくことを恐れるがゆえに自分から変わろうとするちーちゃん。
みんなの関係性が少しずつ変化していっているのがわかる1冊でした。
正直物語としてはそんなに大きな波もなく淡々と進んでいった印象だけど、お気に入りなのが次のシーンね。
「アルシエルやルシフェルは知っているな。それに加えてこの、勇者エミリア。もしかしたら俺より強いかもしれねぇ、戦闘のエキスパートだ」
「そっちの訂教審議官デスサイズ・ベル。協会の外交官宣教部の出自を活かし、エンテ・イスラのあらゆる情報に通じる知将だ」
「敵だったこいつらを結びつけた、人身掌握の要にして魔王の補佐官、マグロナルド・バリスタの佐々木千穂。以上が、俺が作る新たな魔王軍の四天王大元帥だ」
フラグが立ってたちーちゃんはともかく、恵美と鈴乃まで巻き込むとは思わなかったわw
しかも「魔王!訂正しろ!五人じゃ四天王にならんだろう!」と冷静に返す鈴乃、あまり嫌がってないっぽいしw
そしてそこからの冒頭のシーンである。
みんなの関係性が少しずつ変化していると書いたけど、その象徴ともいえる一言だね。
そして最後に提示された問題。
天使は人間であった。では、悪魔とはいったい何なのか。
個人的にも気になっていた問題であり、どのような秘密が明かされるのか、結果が待たれる。
- 感想投稿日 : 2013年6月16日
- 読了日 : 2013年6月16日
- 本棚登録日 : 2013年6月16日
みんなの感想をみる